そんな昼食の一時の中で、“女将”はふっと俺に尋ねていた。
「マーチェンド、マーチェンド。
便箋と封筒は切らしていないかしら?
ここに来てから、あなた、たくさん
お手紙を書いているでしょう?」
“女将”の言う通り、パンパス・コートへの不時着後、幾度か紙の手紙で外部の顧客その他との遣り取りを行っていた。
この王国にも他リージョンとの電子通信環境は一応整ってはいるんだが、電波の強度とかに聊か信頼できないところがあってなあ……。
「あー…確かに便箋切らしそうかも。
いただけるなら有難いですけど、
これ、本当に宿代に含めていいんですかね?」
まあ大した額じゃあないからこそ、宿代に含めてくれてるんだろうが、どうしても気にはなってしまうところだった。