煙草をやめた途端、匂いにやたら敏感になった。科学者の部屋には薬品の匂いの中に、わずかな煙草の香りが混じっている。好きすぎて好きすぎて大嫌いなあの匂いだ。紫煙は牙を隠し、香りは獣の匂い紛らせる。「ならば狂っているのは別にいる」――僕は狂った事を否定できそうな中庸な歌劇役者に狙いを定めた(すみません。落ち時間早いです。ヘレギム白め。ノチよくわからん)