[この山のように高い塔には、妖精の魔法が掛けられています。
上に上がる手段はひとつではなく、中心で真っすぐに伸びる透明の丸い筒のようなものに入ることで一瞬で目的地に辿り着くことが出来たり、階段でも、来園者の思いに応じて、その長さが変わりました。
簡単に言うと、来園者が望めば、一段上がるだけで目的地、ということも可能ということ。
複数回訪れているからこその知識ですが、この場所を訪れる来園者の殆どは初めてですから、想像も出来ないでしょう。
私を見た心優しい機械人形が必死にこちらに向かっていることも知らず、私は1人………正確には1人と一匹ですが、花火を眺めていました。
飛び降りる時は子犬は預けるつもりで。]