此れ、 を、 見ろ。
誰から 、か 、どれほど、の 価値か。
分から ぬ、 大尉では、 あるまい?
[そう言って息が絶え絶えになりながらも
懐から取り出し、差し出したのは今日届いた手紙。
亡霊の王が綴った手紙を。
受け取り、読み進める大尉の血の気が
見る見る内に引いて行く。]
本当、 士官 学校、時代、から 変わらん、な。
人の 話を、 聞かぬ とこは 。
[左脇腹を抑えた、本を落とした。
本は少し、焼け焦げていた。
将は呼吸を整えた。ふらつかぬよう、倒れぬよう
歯を食いしばった、腹に力を込めた。]