星狩りの国-暁の街-

39 おひとりさまCafe7


客人 シュクル

[カウンター席に腰掛ければ、『ばーばさま』が、おしぼりをひとつ、水をひとつ差し出してくれた。]

あ、ありがとうございます。

[少し熱さを感じるが、気持ちのいいおしぼりで手を拭いて、水をひとくち、飲んで。]

食べたいものを……心に?

[そうして、『ばーばさま』に言われたことに首を傾げた。
ぽっかり穴の空いた心では、食べたいものなんて思いつきもしなかった。あまいもの、からいもの、しょっぱいもの。そんなものも思いつかなくて。]

ええと、メニューとか……。

[なにか基準になるものが欲しくて、メニューか何かがないかを『ばーばさま』に問おうと、口を開いて、彼女がスープをよそってくれているのに少年は気がついた。]

あ、それなら、そのスープ。ください。

(43) 2025/04/12(Sat) 22:02:11

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