あ、やば。時間だ。
それじゃね!
[友人に手を振って教室を出る。
17歳にしては幼いツインテールが画面の中を泳いだ。
皆が自分より大きい世界を縫うように駆ける。
途中、誰かにぶつかりかけたが、
新入生に間違えられそうな小さな身体を捻って避けた。
今回は上の中の運動神経に助けられたようだ。]
ごめんなさい!
[ぶつかってない。つまり相手に怪我もない。セーフ。
廊下は走っちゃいけませんが、遅刻をしてもいけません。
相手の顔を確認することもなく謝罪だけを告げ、
小さな背中は廊下の向こうへと消えて行った。]