《急激な血流上昇を確認。
興奮状態になることが予想されます。》
[やば、と思って自分の耳を指で塞ごうとして──結局、両手はアロールのヘッドホンを上から押さえた。あまり意味のない行為だったかもしれないけれど。
直後、荒らげられた声に耐え切れなかった人工声帯が、キィンと耳に痛いノイズを吐いた>>30。
おお……耳が痛い。
クレイの手に持っていたチョコレートの箱が地面に転がる。
雑踏の中で誰かに踏まれないうちにひょい、と拾い上げたところで、彼と目が合っただろうか。>>36
はやとちりに、恥ずかしいのかそっぽを向いてしまった彼の様子>>31に、同級生をからかうように片眉を上げて笑った。]