翌朝:裏通り
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公爵とその幹部数名の失踪の報は、瞬く間にトループの裏側を駆け巡った。
この国の玉座に最も近かった男について、やれあの状況ならば死んでるだの、まだ死んでないだの、噂の中でなら幾らでも語れる虚実。
その地獄を直に見た
>>29>>30少女の慟哭に心から想い馳せる者が、果たしてこの渾沌の闇の中にどれだけいただろう。
>>32>>33>>34譬え言葉の上だけであっても労いを掛けたひとがいた、という事実まではオクリビは知らないけれど。
重役の死が相次いだなら――今だけでなくこの先も――
古巣も慌ただしくなるかもしれない。
彼女たちは彼女たちで、自分がいま立っている場所で職務を全うするだけ。その点において、かつてフアナだった女は確かな信頼を置いている。*]