[ある種の善性とお人好し、というのは。
自分ひとりだけではなく、こうして情報を共有してくれた清掃員――ハリコへの助力を伝えてくれた囚人たち、彼女自身が「力になりたい」と伝えた者たち、その全てをこの監獄から解放したいと望んだこともそうだったのだろう。
そんな“まともすぎる”(少なくとも、傍目にはそう見える)ハリコが脱獄を、自由を希求する理由。
無論、冤罪の自分は「ここにいるべきではない」と理解しているからではあるのだが――。
ともあれ、ハリコ・モーガンズもまた、計画実行日に向けて動き出していた。**]