嘗ての私…自分は冒険者だった。様々なリージョンを渡り歩いて、厄介事請負人(トラブルシューター)紛いの事をやって日銭を稼いでいたのだ。そんな稼業だったものだから、何人かの仲間もいたし、危険と隣り合わせでもあったし、安定した収入なんて夢のまた夢でもあった。けれども不安や不満よりも充足感が私の中にはあった。満たされて、いたんだ。