ー展望台ー
(……13度目、14度目。
随分と多いな。余程渡航が嫌なのか。
そうでなければ、食事をして胸焼けでもしたか)
[ ぼんやりとベンチに座る若者は、
刻一刻と移り変わる星空に視線を向けたり、
今度は自身の履く黒いパンプスを見つめたり。>>42
そして増え続けるため息に、体調不良の線も追ったが、
顔色は特に酷いわけでもない。
結論、体調面は問題ない。と判断。
…したところで、グラス越しにばちりと目があった。
不思議そうに首を傾げ、そして瞬きのあいだに
また一度視線があった。
近づいてきた彼女を見て、こちらもいちど席を立つ]