―零れ落ちるもの―[治した命があれば、取りこぼした命もある。 施術に耐えきれなかったもの、自ら命を断ったもの、伸ばした手が間に合わなかったもの。 どうしたって、一人では限界がある。むしろ出来ないことの方が多い。それでも、自分が選んだことだ。 我儘であれ、傲慢であれと己を奮い立たせる。 決して聖人ではない。だからこそ一人の人間として、この戦争を戦い抜くのだ。]*