―― カフェ ――
[もうすぐ昼飯時の時刻、アタイはカフェに来ていた。
カフェは好きだ。
いや、正確にはアタイはこの船のカフェが好きだ。
今まで仕事だ弟妹の面倒だのでカフェでのんびり時間を過ごす時間なんてなかった。
だから、ここのカフェで出されるコーヒーも。
それを出してくれるスイッセスさんの周りを流れる穏やかな会話や雰囲気も大好きだった]
あー……、なんかじーちゃんの家とかってこんな感じなのかネェ?
じーちゃんなんてアタイにはいないけどサ。
[いつかそんなコトをスイッセスさんに零したコトもあったろうか。
自分は孤児で親の顔を知らないコト。
おじいちゃんがいればアンタみたいな人がいーなとか。
姉としてヒーローとして気を張らなくていい相手との会話は初めてで存外に居心地のいいものだった]