―回想:サファイアと―
[手伝ってくれとは言ったものの、まさかほんとに手を貸してくれるとは思わなかった。]
……もちろん、誰にも言いませんよ。
ここにあるものは好きに使ってください。
[彼に視線を向ければ、せわしなく動く目が見える。目が回らないのだろうか。
ヴァルハラ兵の口に布を詰めたのを見て、その体を抑え込むように固定する。やはり起きたか。まあ仕方ない、ここは我慢してもらおう。
サファイアの流れるような作業を、補佐をしながら盗み見る。やっていることはわかるが、どうやっているのかがわからない。脳が二つあるのだろうか。]