>>45>>46ヤワタ
[心配そうにしている男を余所に、昼間にちょっとしたお出かけをした。
いとも簡単に目的の物を手に入れた女は、宣言した通り広場へと向かう。
陽も落ちて尚、いやより一層賑やかで騒がしい露店通りを抜けて、目的の場所へと。
人混みの波を泳いできたせいか、夜の広場は閑散とし荒涼していると感じた。]
ああ、此処に居たか。
[大樹の影のベンチに座っている男の姿を見つけ、近寄りそう声を掛ける。]
お前の欲しかったモノを持って来てやったぞ。
[口元に笑みを浮かべ、片手を挙げる。
その手には黒い紐や、小さな四角い-所謂、電子機器の充電器の様な-物が収まっている。
何に使うものなのかは分かっていない。しかし、貴方が探していた物で、その魔力を供給すれば使用出来るだろう。]