[小さな悲鳴を発した相手を、そのまま別の路地へ引っ張り込む。
自身が居た建物と建物の隙間、凡そ路地とは言えないような場所へ。
体勢を崩した男を羽交い絞めにしながら、手元のケーブルを手繰り寄せる。
細い体躯にも拘らず大の大人を拘束出来るのは、四肢などのパーツを義体化しているからだ。
ミシミシと肉が骨が軋む音、僅かなモーター音、後は男のうめき声。]
Shh……
静かに、人が来てしまう
[それは自分の望む所では無い。
故に、手早く後頭部にある穴へとケーブルを差し込み、相手の『電脳』をシャットダウン。
崩れ落ちた身体を背後から抱き支えると、そのまま座り込む。
ぐったりと意識の無いソレを自身の身体にもたれかからせ、背後から抱くように。
もし相手の意識が浮上したとしても、何時でも羽交い絞めに出来るように。片足を胴に絡ませる。]