[同じ紙面で、“ 赤獅子 ”の一時意識不明の重体の報を目にする。
そこに添えられていた写真は紛れもなく、仮面を纏った将の顔。市井の子供を怖がらせ赤子を泣かせた仮面>>0:197の主、といった風貌は、将の威厳ばかりを感じさせたけれど]
《 ……今は胸を痛める時じゃない。
塞ぎ込んだりして、あの人が作った機を、
ふいになんてしてたまるか。 》
[日記帳の中の幼い文字のことは、努めて頭の片隅に追いやった。]
《 僕は――“ 僕 ”は、
「生きている」シェルタンを舞台に戻しに行くんだ。 》
[「愛する者」と「友人」には見せてしまった素顔。
それでも夢を創る共演者、夢を届ける観衆の前では、あくまで嘘の仮面を被り続けようという決心。]