[違和感を感じました。
それは話が進むにつれて、はっきりとしたものへ変化していきました。
違和感というよりも、疑念と言う方が適切かもしれません。
記憶消去を受けるヒトモドキが暴行を加えるとして、どうしてそれを甘んじて受け入れるのか。
記憶消去を受けるヒトモドキへどうして娯楽を提供しようとするのか。
その思考は私とは乖離したもので、即理解に至ることはできず。
同時にその気遣いは、この施設の有り様ともそぐわないように感じられて。]
『その、私は罪を犯した存在ですが、それでも許されますか』
[この施設にいるのは罪を犯した存在ばかり。
ドクターが保障したものは、この施設内の全てのヒトモドキに約束された権利でしょう。
それでも、確認せざるを得ませんでした。
与えられた自由に、思ったよりも穏やかな最期の予感を感じて。
それを確かなものにしたかったのかもしれません。]