[ポンチョの下には、機体への格納ではなく、ベルトやポーチといった外付けの形で短刀と手榴弾を幾つか携行する。
「生身の人間」の防弾・防刃用の装具は必要としなかったから(対機械用の弾丸は別だが)、ベルトの下に纏ったタンクトップは薄手のもの。極端な話、何のトップスも着ていなくても戦闘や「目のやり場」の点では何も支障なかったが、オクリビの意識の中の何かがそれを阻ませた。
ズィーに差し出したような通信機の類はない。
通信端末なら、オクリビ自身の頭部に内蔵されている。
リリオにいた時は、業務連絡での内線程度にしか使っていなかったものだったが]
( “稼働”。 ――通信に異常なし。 )
[ポンチョ越しの肩に、カラス程の大きさの、一羽の「鳥のようなもの」が留まる。カメラレンズを搭載した筒状のボディに、一対の翼と一対の脚の形をした機工。
オクリビ本体からの通信によって動き、観測情報を本体に送信する機能のある無人機だ。]