[話していれば、いつの間にやらもうひとり、客人がこの『黎明街』へとやってきたようだった。>>14
カウンター席に座った少女に、少年もまた、目が合えばぺこりとちいさく頭を下げるだろう。]
[彩られるのを待つばかりのオムライスは、優しいたまごの黄色が、きらきらと光っていて、とっても美味しそう。
ベリーのジャムの匂いも、とてもいい匂いで。きっとりんごのジュースのりんごも、老婆が言うように新鮮なのだろうと思いを馳せる。
少年は、この待つばかりの時間が嫌いではないようだった。少女……ドールさん、とも、話せたし。]
[オムライスのケチャップアート。老婆に何を描こうか問われれば。]
ハートマーク、似合うと思うけどなあ。店員さんに。
ああでも、そうだな、うん。もしできるなら、どうぶつのケチャップアート、お願いできますか。
[恥じらう老婆に心からの感想を告げて。
なんとなく、どうぶつがいいなと思って。そうお願いする。
お耳にリボンのうさぎさん。きっと少年は喜ぶだろう。>>28]*