[ピギーの答えは、ギルドの判断はどうだったろう。
どうあれトートバッグに黒い花のペンとメモの束を詰め込んで。
自分でも抱えられる分の荷物を両手に、もっと大きな荷物を抱えるピギーとともに宿舎を出た。
草原色のワンピースで歩く道はもう見慣れてきたものだ。
仕事場へ続く道には時折見知った顔もある。
馴染みの焼き鳥屋の店員へ手を振ってくれる人もいた。
ほんのり気恥ずかしさを抱えながら、手が塞がっているから、元の世界の癖だった会釈ではなく小さな笑みを返した。]
あ、ここを曲がらないんだ。
[事細かに街を探検したことはない。
物珍しげに視線を巡らせながら着いていく。>>37
その通りは目にも楽しい色彩をしていた。
道の両側に立ち並ぶ建物たちは、それぞれ個性を主張するように違う色をまとい、隙間なくくっつきあっている。
商店のひさしや看板のデザインもバリエーション豊かだ。
楽しげに躍る文字、落ち着いたシックな文字。
まだ読めなくても分かる、おもちゃやお菓子の絵。
雑貨屋の窓を覗いてしまい緩まった歩調を慌てて戻した。]