……面白いことを聞くんだな、お嬢。
そうだ、と言ったらどんな扱いを受けるのか、想像するだけで恐ろしい。
[アリシアからの問い>>34に、フットマンは表情を崩さないまま言う。
答えになっていない。だけど、ある意味では答えだ。自分がそうはならないと確信している口調。それは言外にフットマンの潔白を示して──いや、ならないか。
大事なのは、アリシアの言外に含んでいるだろう言葉を、フットマンは受け取らなかった、ということだ。
今蹴落とし合う必要はない?
力をつけ、憂いがなくなってから?──とんでもない!
いま、この瞬間、激動する状況の中で手を組むなんて、一般的すぎてつまらない!]