[そうして落ち着いた彼女から話された事情、
彼女と同じ孤児である、妹を助けるためにこの船に乗ったこと。
その話を、手を握りあったままに聞いて]
…アーネストさん。
助けてって手紙を受け取って、
すぐにこの船に乗ることを決めたんだよね?
じゃあ、少しでも早く妹さんの所在を確認しよう。
そういうこと調べてくれる人、私の担当さんに伝手を頼めるから。
それで妹さんの今の状況を把握した上で、保護に動こう。
悠長な手に思えるかもしれないけど、私はこれが最善だと思う。
[聞いた事情から私が提案したのは、
アーネストさんが直接動くことは少ないだろう方法。
彼女はどんな顔をして聞いていたか、
私はそれから目を反らさぬまま、まっすぐ見つめて]