>>52ジズ
そう、酒場でもあなたと会えるのね。嬉しいわ。
……あら、お金をあげるのは気に食わなかったかしら?
何も財力をひけらかそうと思ってるわけじゃないのよ。
私のお金は私の流れて欲しい方に流れて欲しいもの。
……いわば、推し活、ってやつかしら……?
[なんてクスッと唇の端に笑みを浮かべながら返して]
別に、あなたに必要以上の仕事をさせようとして、チップを出すわけじゃないの。…それも、金持ちの道楽と思って、理解する必要もないこと。
……なんて、まだ始まってもいない給仕の話をするのって、ちょっと可笑しくない?
……あはは、楽しい夜になりそうだわ。
[暗くて無表情な者の多い薄闇の世界で過ごすことの多いリナにとっては、騒がしい飲んだくれの集まる酒場で酒を飲むというのは、これまた久方振りの体験だった。
彼女に示されて酒場に入ると、エールと簡単なつまみ菓子を注文して上品そうに酒を飲み始めて。そんな姿はひときわ、周囲からは浮いて見えたかもしれない。]