[さてこの時、これらの件が、愉快な同僚たちによってどんな話のネタにされたかそうでないかは割愛するとして――。
さらに日が経てば、アッサからの漂着物もまた増えていく。
件の一斉摘発に絡めてさりげなく添えられる、姿を消した役者のエピソード>>5:+30。
銀河間交流行事での高潔な騎士が亡霊の王を棘の城から救った舞台のことも、平凡な青年の冒険活劇を演じたアルカディア公演のことも(その後の役者への一部の評価についても>>1:7)特集記事で取り上げられていた。
その中には、ルキウス一座の脚本家・ミルファへの取材記事も。
カナリアの王子の寝物語もいつか公演にしたい、とシェルタンが語っていたという小話。
ある星での紛争を機に、最果ての姫君の古典劇の翻案を彼や座長と協議したという逸話。
シェルタンではなくミルファ本人がチャーター便の飛行機旅を異様に怖がっていたという与太話も何故か添えられられながら。]
《 ……、本当、
ミルファこういうところあるよな。 》
[そんなささやかな感想を宿主の記憶で抱いたのは、やはり些細なこととして。]