[暫し沈黙して、ケンが立ち上がろうとしたときに、押し留める。>>53
少し目を伏せながら、謝罪の言葉を紡いだ。]
ね。心配してくれて、ありがとう。茶化してごめんね。
俺、心配されたことあんまなくて、ちょっとびっくりしたんだ。
[それから、少し黙り、ぽつぽつと言葉を落としていく。]
俺ね。パンジーが枯れるのは、そんなに悲しくないんだ。
咲き切ったから、枯れるんだから、一生懸命に咲いて枯れるなら、悲しくないなって。寂しいけど。
去年の先輩に、俺、頼まれて。綺麗に花を咲かせてほしいって。
約束は守ったから、今はそんな落ち込んでない。
[そう、言葉にした。再び、わずかな沈黙を挟む。]