回想、それは愛ゆえに
[それは厨房での一幕。
私の呟きは、無意識に動いた口唇の様子から義父に伝わっていたようだ。
>>2:302 神妙な面持ちの義父に、『ラビィとルミは仲がいいんだな』と伝えられれば、伏し目がちに応える。]
ええ、しばらくの間、共同室で一緒だったのよ。
でも……あの時、私はここに残るつもりで……それで、お別れしたっきりなのよ。
[アレッキーノと親子の契りを交わしていた後なら、尚更ルミの手は取れなかっただろう。
避けられぬお別れだったのだと、今でも思うけど。
こうして、生きる為に……幸せになる為に足掻いて、共に同じ
輸送船に向かう事になって、私の胸中は少しだけ複雑だった。
私はまた会えるかもしれない、と言う期待に蓋をして続ける。]