[そして、改めてイノリくんの冒険譚と、その戦利品を見てその頭を優しく撫でようとした。>>2:222
だってあまりにも無邪気過ぎてさ。
初めてここにやって来たおのぼりさんが、友達を作って、アトラクションを自分達の力で攻略して。
その首輪は相変わらず何らかの事情がある事を察せられはしたけども、イノリくん自身が気にしてないのなら、僕がとやかく言う事でもないと、長いチェーンを見ながら思う。
でもそれは、イノリくんが努めて気にしない様にしていただけの話だった事を、僕はすぐに思い知る事になる。
やがて、ぽつりと僕が呟いた言葉が、イノリくんの表情を暗く彩っていく段になれば。>>2:223]