着いたよボクの家だ[彼の目には屋根も壁も無いに等しい、小さな廃墟が目に入るだろう。隣り合う建物との隙間は鼠一匹通れるかというくらい。幸い袋小路ではないので逃げ道はある。屋根が無いお陰で空は開け、そこだけぽっかりと青空が見えるのが逆に不思議だった。廃墟になったのはここ数年の話ではないことくらい、見て明らかだろうが、ボクの視線は、どう考えたってその建物に向いている。教会であったのだろう廃墟の真ん中には欠けた女神像が建っていた *]