……きっと、もう会わない方が良いのよ。
[別れの挨拶はもう済ませたから。
互いの幸せを願って、最後のハグをして、それで終わり。
ちく、と胸の奥に刺さる物を感じてそっと首を横に振れば、義父の続く言葉に頷きその手を握る。>>2:303]
……大丈夫なのよ、痛いほどよく分かってるのよ。
だって、私はお義父さんの子供なのよ?
[その瞳に堪えた狂気と憎悪は、あの子を失ったばかりの私と同じ。
でも、蓄積された年数は、積み重ねられた業は、私よりもずっとずっと深くなってしまった義父に。
一層強く、その手を握った。離さないように、離れないように。*]