[見つけられたけど追いつけず。>>2:223
続く言葉は、離別と遠慮……いや、罪悪感かな。
イノリくんの境遇への予想が、悪い意味で当たっている事を示唆している言葉に、僕は帽子を少し深く被り直す。
影を見たというなら、イノリくんにとってその子は大切なもの。
僕にその間柄を推し量る事は出来ないけど、イノリくん自身が近づく事を恐れれば、きっと理解する事も出来ない。
なら、僕が伝えられる言葉は……。]
……イノリくんは、その子に会いたいかい?
[じっ、と帽子の陰からイノリくんの翠の瞳を見据える。
相手がどうしたいかではなく、自分はどうしたい? という訴えの瞳。
ただ、どんな選択をしても僕は肯定するよと、目尻は少し下げて、イノリくんの言葉を待った。**]