―朝・自宅―……君とももうすぐお別れですね。今までお疲れ様でした。[洗面所を出てきた青年は眉尻を下げながら、玄関口の手前に置いた家電製品を労わるように撫でた。引き取りの手続きを済ませたので、数日後にはこの家からいなくなってしまう。モノを見送るのに慣れてきてしまっている己が、少しだけ哀しい。]