あっ、待ってよぉ。あははっ
[手を握ってくれたと思いきや先んじて駆けていくラピス、マウスと共に後に続く時に少年が上げた声はもう困惑や戸惑いではなく、今この瞬間すら楽しむような笑い声。>>33
しかしその少し後どうやらはぐれてしまったらしいと気付いたときには、どうしたものかと残された二人で顔を見合わせてしまう。
小さな子供の相手をするとは本来これくらい大変なのだろう。管理されない、本来のあるべき幼い無邪気さが思わぬ展開を産んだ。]
……
[その時少年はやっと気づいた。あのラピスの後ろ姿は、マストを置いて行った時の自分だと。
相手は大人だから、きっと一人でもそれなりに遊園地を楽しんだり誰かと関わっているだろうけども。大人だからこそどうやって再会するか、考えてくれたりもしていたのかもしれない。
わざと無視していたわけではないけれど、「また」と言っておいて悪いことをした──と少年は感じた。]