ー 秋・文化祭にて ー
[三年C組は、クレープ屋をやっていた。
メニューはチョコバナナやドライフルーツと生クリームといったものから、ハムチーズやツナマヨなどご飯系のものまで。
苺を始めとした果物は残念ながら予算がたりないとのことで、ドライフルーツで代用になったが、バナナだけは大量にある。バナナすごい。
他にも市販のお菓子のブラウニーや業務スーパーから買ってきたアイスを使うことで、なるべく安く種類を出すことに成功していた。
しかし、楽しさ優先、面白さ優先である程度増えてしまったメニューは、忙しさに直結した。]
うわー、疲れるー
[バナナを切っていた。ひたすらにバナナを切る、切る、切る。
チョコバナナもバナナブラウニーも人気だった。
生の美味しい果物がバナナだけなのだから、当然かもしれないが。
それで飯島は自分の担当時間、ほぼバナナを切っていた。
時折聞こえる接客担当が客と談笑する声。
カメラが表を映すと、行き交う生徒たちが笑顔を浮かべたり、友人と語らいながらクレープを食べる。そんなワンシーンが映されたことだろう。]**