[私たちは、太陽から落ちるいのちの欠片です。
太陽が俯いて、転がり落ちる光の精が私たち。
大地を生きるものに、ぬくもりを届けるのが私たち。
一年、私たちが持って落ちたいのちの欠片を落ちた先で分け与えて、死んでいくのが私たち。
路傍でまるまった猫だとか、友達と喧嘩して泣いてるあのことか。
ぴかぴか隣に落っこちて、だいじょうぶ?と背や頬を撫でてやります。
あるいは、いっしょに走り回ることだってあります。
いのちそれぞれ。
私たちは一年の間、朝に生まれて、夜に死ぬのを繰り返します。
そうして、一年。
おつとめをしたら、私たちは本当にほんとうに死んでしまって、次は好きなものに生まれられるらしいのです。]