[五体満足保持の奇跡が続いているとはいえ
過去に一度、左手小指の先を落としたことがあった。
自分もピアノ線やダイヤモンドワイヤー等を
仕掛ける側だというのに気付かないのは迂闊だった。
誰とも知れぬ敵の仲間が張ったのかも知れない。>>50
その事件があった後はもっと警戒を強めた。
あまりに鋭く奇麗に切れたため血も噴出さなければ
痛みもなかった。
その時一緒にいた斥候リーダーのフットマンが
くっつけときゃ治ると言ったが
ミリ単位でもズレるのが少々怖かった。
パルクールに必要な微妙な感覚が狂いはしないかと。
しかし何という幸運。
そこへ通りすがりの医者が……
後に施術の跡を診たサージオンが
ナノ≠フ狂いもないと言っていたが
何の≠フ聞き違いだったかもしれない]