[『ほら、さっさと行け。…行けよ、父さん。』彼自身がもう父親であるし、子供という歳でもない。だから私を親と思っても甘えたりは出来ないのだろう。記憶の消去をしないと宣言した彼はどこか晴れやかな顔をしていた。そして、最低限の荷物を持って出ていく私を見送ってくれたのだった。こうして私はホワイト・マーブルでの新たな道を歩むことになる。スイッセス・サイフォンは故人の名前だからもう使う事は出来ない。代わりに私は新しい名前で生きる。スイッセス・サンとして。]**