[続けられたウキクサの言葉を、私は暫しの時間をかけて理解します。>>26
少し考えてから、言葉を紡ぎました。]
『ウキクサ。私とあなたに大きな違いがあるでしょうか。
真面目、優しいと評価された、気質的な部分の違いはあるかもしれません。
しかし、私達は両者とも、敵のヒトモドキを助けたのではないですか?
そこにどんな理由や意志があろうとも、救助した、それだけが事実であり、重視されるものです。
少なくとも、私の助けたヒトモドキは、私がどうして救助行動を行ったのかという理由よりも、自身が救助された事実の方を重視するでしょう。
あなたは戦場で助けられるモノを救った。
理由や意思を重視するのであれば、不快にさせてしまうかもしれませんが。
ですが、あなたの行動は確かに誰かを救ったのです。
その行動から推測するに、あなたもそれに足るだけの意志はあったのではないかと、私は思いますが。』
[敵を救助する行動が規約違反であるとは知っていただろう。
そこにどんな事情が存在していても、罰があると知っていて救助を遂行したのなら、そこには抑えきれない心が、意志があったのではないかと思った。]