―六月/体育祭―
[この時期の放送部はそわそわしている。
全国高校放送コンテストの県大会を翌週に控えているからだ。
とはいえ、一大イベントの一つでもある体育祭に手を抜く心算はなく、体育祭の進行表を確認しながら、テントでアナウンスや実況役や音楽出しを務めるシフトをどう組めばよいか、綿密に話し合っていた。
少年が出るのは全員参加の競技と、玉入れくらいのもので、テントでは音楽出し役を務める事になっていた。
そうして来る日は晴天。
まさに体育祭日和となっていた。
開会式の進行をアナウンス部門の先輩が淀みなく進めていく。]