>>56ヤワタ
[突然起きた発作に目の前が真っ暗になる。
耳鳴りが脳にも響き、男が何かを言っていたとしても聞こえていなかった。
それが何かは分かっている。
変化への予兆だ──。
背中に触れる手を感じれば、大きく息を吐いた。]
…平気、だ。
しばらく、すれば……収まる……。
[息を吐きながらそう漏らし、気力を振り絞り立ち上がる。]
…部屋で横になる……。
[未だ身体は重いし、頭も痛いが、精神力は人間の比ではない。
貴方が人に声を掛け、周りは騒がしくなっていたかもしれない。しかし、そんな事は物ともせずに部屋へと戻っていくだろう。
貴方が手伝おうと言って、手を貸そうとしても「平気だ。」と答えて振り払うだろう。
今は兎も角、部屋へ。早急に一人になりたかったから。*]