―― 最終日の夜・レットへの手紙 ――
[アタイは一日の終わりにレットへの手紙を自室で書く。
早ければレットが寝る前に、遅くても明日の船を降りる前にはレットのもとへと届けられるだろう。
白地にレースの縁取りがされた上品で女性らしい便箋。
愛弟子が背伸びしてプレゼントを選んでくれたように、
アタイも少し背伸びして大人の女性らしい便箋を選ぼうか。
ホントはこんな上品なの使うの初めてなンだけど。
背伸びしすぎかねぇ、なんて少し苦笑しつつ。
相変わらず一文字ずつ丁寧に文字をしたためよう。
(学がないからこそせめて字は読みやすくキレイに、
そーしないとアタイの気持ちが伝わらないからね)]