[一瞬キョトンとしてみせた彼女の顔は、年相応の若さというか、素の彼女をさらけ出したかのようなものだった。>>57
薄汚れたビジネスの世界では、
とって食われてしまいそうな、ちょっとした隙。
若さの証拠だな、と思いつつ、
それが一瞬で気だるげなものに変わってしまえば、
この子をそれほど失望させる退屈の悪魔の強さを思い知らされることになった
どうぞと席を促せば、彼女はそのまま遠慮なく座り、無警戒さを感じさせた]
ええ、私は…「ホワイト・マーブル」で
会社の支社が設立されたので。
その組織の立ち上げに駆り出されてきたのですよ
こちらの星では、うちの企業の会社はほとんどなくて、まずはその足がかりということで。引っ張りだされましたよ、困ったことにね。
[と、少し苦笑いしてみせる。
その企業系列の社長は自分なのだが、むしろエライ人に無理やり連れてこられたかのようなやれやれ感を醸しつつ言えるのは、自分の正体をわざわざ言う必要がないのと、『おじさんも』という言葉に引っかかったから]