『ウキクサ。ありがとう。
私が私でなくなることが悲しいと、そう思ってくれる人がいることは嬉しく、その別れは悲しいです。
私の規約違反を、私の行動を否定されることよりも、この場の出会いを忘れてしまうことのほうが、悲しいと感じる。
私を想ってくれるあなたのことすら、忘れてしまうのですから。』
[積み重ねてきた苦しみや悲しみから開放される記憶消去は一種の救いで。
私の犯した罪への精算で。
そして、最期のときを共に過ごした者との別れ。
相手のことを断片すら覚えていられない。
ウキクサと戦場で出会っていれば、機能停止に怯えたのだろうが。
ここで出会っても、先がない。
そのことに寂しさを感じる。]