[…その後は、彼を後方部隊の基地まで機体ごと運んだ。
彼が目を覚ます頃には、少なくとも簡易医療室のどこかには転がされていたろう。特に傭兵たちが転がされるような劣悪なところ。
優先度的に医療班の巡回回数が少ないこの場所で、
ひどく忙しなく走り回る眼鏡男の姿を目にするかもしれない。
そして男には、こういうのだ]
あんた、恨まれる性格なんすね。
…声、悪いけどもう出ないよ。パーツ足んなかった。
俺様ちゃん、代わりのパーツ用意したかったけど、
いいのがなかったよ。こんなのしかねえや
[そう言ってみせるのは、かなり型の古い、人工声帯パーツ。ジャンクになりそうな…そんなのがゴチャッと入った箱だけ渡し、どこか申し訳なさそうに、次の手当に向かおうとしてた*]