ー 裏路地 ー
はあ。余計な時間がかかった。
こいつ、どうしようか。
見せしめにしたところで、
私のことを知らん奴らには効果がないんだよな
[絡んできた暴漢『だった』ものの返り血を拭いつつ、
男は乱れてしまった服装を整える。
男の肉体となっているこの身体は、
外見は人間の少年そっくりだが、中身は兵器の集まりだ。
腕の中に仕込まれた銃や刀は護身用にしては
殺傷性が高すぎる。
ズタボロになったそれを適当に近くに落ちていた
ゴミ袋に一緒に詰め込み、少し思案。
そんなさなか、ふと、
鼻歌のような歌声が聞こえた>>47]