[様々な説明の間も、彼はぽかんとしていた。
というより、わからなくなっているというのだろう。
それを女将は、]
まあ、少し豪華な温泉旅行みたいなものですよぉ
そんなにかしげなくても大丈夫。
……ここにはきっとありますよ。
あなたが取り落としたものも。
あなたを満たしてくれる、あなただけの宝物も。
まずは、とりあえず。
のんびりなさってくださいな。
[えがおでさしだしたおみかんとともに、
彼女は幼い彼から離れて、そして彼が羽の生えた彼女と話す様をながめては、明日は桃も頂いてこようかしら、なんて考えていたのでした**]