[ちなみに注意不足で引き寄せる。ということはあったが、この時には堂々としろ。とはいわなかった。服装が特別なものではなくなったからだ――まあ容姿で見られる分があったならば知らないが]
ほら、あれだな。
[と、促した先は、立派なトサカの生えた鶏と羽根を広げた鴉の置き物が壁に横並びに飾られている。周りと比べても比較的大きい建物だ]
あの鶏が「コケーー!」って叫ぶと朝の始まりで、夕方はカラスが「カー―!」って鳴いて夜の時間を知らせるやつだな。
[ここ何日間で勉強した中か、あるいは雑談で話したことのある都の中のものを教えたりしつつ、何か食べたいものを言わないかぎりは露店で野菜とチーズのソースを挟んだパンと串焼きを買っていくだろう]
暗黒の波動に目覚めた黒鳥とか、またけったいな名前しているな。
[なお串焼き屋は名前がちょっと変なだけで、醤油ベースの普通に美味しい串焼きであった**]