――展望施設(過去軸)――
[ツァリーヌとの会話中、私はカラントの姿を視界の隅に捉えた。>>1:335雪国星雲を眺めに来たのだろうか。彼は、ツァリーヌと見知りであろうか。
もし彼が此方に歩み寄ってきて自分なりツァリーヌなりに話しかけるようであれば、三人で会話を愉しむもの吝かではない。
しかし、カラントはいつものようにクロッキー帳を開いた。ホワイト・マーブル到着まで後僅かであるから、彼もきっと心残りなくスケッチがしたいのだろう。
羊たちが彼に描かれたらどんなもこもこ具合を醸し出すかと興味惹かれたが、
私もツァリーヌに倣い小さく会釈だけをカラントに送って>>1:350、目の前の紳士と会話を続けた。]