[記憶消去を受けるヒトモドキの中には、不安や焦燥といった負の感情を感じる個体が存在することを知っています。
むしろ、そういった個体のほうが多いように思えました。
そんな状況の中、ウキクサ自身も精神的に快適とは言えない様子で、それでも私の精神状態をいいことだと、そう言ってもらえることを有難く思いました。>>38
しかし、その直後、私の言葉を聞いたウキクサの一瞬の反応と質問。
すぐに訂正されたものの、私は思うところを正直に話すことにしました。>>39>>40]
『いえ。ウキクサ、その通りです。
私が現在、比較的穏やかな状態を保っていられるのは、ここが戦場でないことに起因します。
ヒトモドキの存在意義に反することですが、私は戦場から離れられてよかったと、そう思うのです。』
[与えられた任務に対して尽力したいと言ったものの、ヒトモドキ本来の役割からは外れています。>>1:13
ヒトモドキとしての役割を忠実に守るモノからは、非難される可能性も存在するでしょう。
それで誰に言うこともなく、言うつもりもなかったのですが。]