ー 回想:医療部隊と ー[>>58>>59>>60血の海に沈んでいた時の記憶はあまり無い。機体のコクピットに乗り込んでくる者が一人。喉元に伸びるパワードスーツの腕と、慟哭にも似た声。行われていたそれが治療であったと気づいたのは、随分と後になってからだった。呼吸の度に幾度も赤が溢れる。焦る相手へ無意識に手を伸ばして。しかし自身の腕は触れる前に力尽きた。]